NO.217 総裁選と衆院総選挙

 9月27日、結党以来最大の9人が自民党総裁選に立候補し、1回目の投票では全国の党員票がトップだった高市早苗氏が1位になるも、その後の国会議員を中心とした決選投票で石破茂氏が逆転勝利し、石破政権が誕生してしまった。
 しかし、石破総理は所信表明で「アジア版NATO」「日米地位協定改正」「選択的夫婦別姓」といったそれまでの自身の主張は全く語らず、マスコミから「ウソつき内閣」と評された。
その後、国会で議論を尽くした上で解散すると総裁選で述べていたにもかかわらずウソをつき、首相就任から8日後、戦後最短で衆院解散に踏み切った。その結果、自公で過半数を大きく割り込む与党の大敗となったが、総理が自ら責任をとって辞するつもりは全く無いようだ。
 総選挙の敗因は、政治資金収支報告書不記載問題(裏金問題)で一旦処分した保守派議員らを、一事不再理の原則を無視して総選挙でさらに非公認にし、「政治と金」を争点にしてマスコミ受けを狙ったが不発だったこと。また、岩盤保守層やネトウヨを甘く見ていたことではないかと私は思う。
 そして、現在、石破総理は首班指名に向けて、103万円の壁撤廃(178万円)を主張している国民民主党に秋波を送っているようだが、私も年収の壁撤廃には大いに賛成だ。ところが、早速、「7.6兆円の税収減になり高所得者が有利になる」と財務省がネガティブキャンペーンを始めた。
 今、必要なのはプライマリーバランスにこだわった緊縮財政ではなく、積極財政である。日本は1,200兆円も借金を抱えていて、そのツケを孫子の世代に背負わせてはならぬと未だに盲信する日本人が多い。しかし、日本は世界最大の対外純資産国であり、バランスシート上も負債を超える資産を有している。国債も自国通貨建であり、それがGDPの2倍以上の借金があっても財政破綻しない理由なのだ。
 ああ、高市早苗総理になっていればなぁと思うのは私だけではないはずだ。