NO.15  経団連のおかしな提言

 6月10日、経団連は選択的夫婦別姓の早期実現を求める提言を発表し「政府が一刻も早く改正法案を提出し、国会で建設的な議論を期待する」とした。経済同友会からも同様な意見が出されているが、彼らの根拠はビジネス上のリスクと多様性の見地からということだ。

 私自身はYouTube「小島健一チャンネル004」でも述べているが、選択的夫婦別姓導入に従来から反対の立場である。おそらく、産経新聞を除く多くのマスコミの情報に晒された人達は、夫婦別姓導入が時代の流れであり、しかも選択的だから別姓にしたい人だけすればいいのでは、と思い始めているかもしれない。

 しかし、この議論をする上で、経団連や推進派の政治家に欠けているものは子供の利益、子供の視点である。夫婦別姓を選択することでファミリーネームが消滅し、親子別姓、さらには兄弟別姓ということもその先にある。また、選択的とはいえ、導入によって世界的にも稀有な日本の戸籍制度が崩壊することになる。これが私達が望む国家や家族の姿なのか。

 今ではマイナカードや住民票、印鑑証明書、パスポート、免許証等が旧姓併記可能となり、民間企業でも旧姓使用容認が広がっている。

 実は、令和3年実施の内閣府アンケートでも夫婦同姓維持派が7割を超えており、選択的夫婦別姓制度導入を求めている割合は28%余りに過ぎないのだ。そうであれば、引き続き旧姓使用拡大を推進していくこと、他国の理解を得るようにすることが大事ではないか。

 かつて、選択的夫婦別姓推進派の福島瑞穂氏は「子供が18歳になったら家族解散式というものをやろうと思っている」と語った。 私はそんな社会だけは御免被りたい。