N0.38 人間とAI(巨人の阿部監督辞任を受けて)
5月25日、暴行の疑いで読売巨人軍の現職の阿部慎之助監督が逮捕されたが、このニュースを聞いて私は複雑な思いを抱いた。
阿部氏は既に責任を取って監督を辞任しているが、逮捕までの経過は次の通りだ。姉妹が喧嘩しているところを「静かにしろ」と言ったら、言い返してきたのでカッとなり、長女の襟元をつかみ、投げ飛ばして倒すなどの暴行を加えた。長女にケガは無かったが、長女がチャットGPTに相談、その回答に基づいて児童相談所へ連絡したことが逮捕につながった。
令和2年4月施行の児童虐待防止法(改正)から保護者による子供への体罰の禁止が明記されているが、昨今、児童虐待に起因する痛ましい事件が相次ぐ中で、今回の児童相談所の一連の対応は間違ってはいなかったと思う。しかし、長女は父親が警察に連行される姿に泣き崩れたと語っており、事の重大さに後から気付いている。
神奈川県も、政令市を除くエリアに、藤沢市の中央児童相談所を始め6カ所の児童相談所を有する。ちなみに、横浜市内だけで5カ所の児童相談所があるが、子供を守るため、死亡事故を出さないため、行政としてもこれまで対応を強化してきたことは評価できる。
だが、今回のケースは、父親がお酒を飲んでいたとはいえ、親子喧嘩みたいなものとは言えないか。また、デジタル社会が進み、自分で考えずに何でもチャットGPTに頼ってしまう世情の弊害が出たのではないか。
行政マニュアルとAIは、結果的に親も子も誰も幸せにしなかったが、そんな中、阿部氏の監督復帰を求めるオンライン署名がすぐに始まった。多分、AIにはそんな未来は予測できなかったはずだ。
AIによって人間性が喪失されない社会が望ましいと私は思う。

