NO.212 上川外相と中国外交
日本の国会議員31人が台湾で行われた頼清徳新総統の就任式に出席したことについて、5月20日、呉江浩駐日中国大使が次の発言をした。
「(日本が台湾の独立に加担すれば)日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
この恫喝に対して上川外相は呉大使を呼びつけることもせず、事務次官を通じて抗議しただけだった。そしてその後、何と中国外交部も呉大使の発言を追認して国家として開き直った。果たして、日本は主権国家なのか。中国共産党に完全に舐められているのではないか。今も中国は核ミサイルを日本に向けているはずであり、これは呉大使を国外追放すべき事案ではないのか。
さらに、5月31日、一人の中国人男性が靖国神社の石柱に放尿し、赤色のスプレーで「Toilet」と落書きをして、それをSNSに投稿した。福島第一原発の処理水放出への抗議だと犯人は述べているらしいが、靖国で会おうと言って散華された先人の慰霊の場所を汚す行為を、私は日本人として絶対に許すことはできない。
今回の罪名は器物損壊罪と礼拝所不敬罪になるらしいが、犯人は犯行後すぐに帰国し、全く反省もしていないようだ。高須クリニックの高須氏が犯人確保に1000万円の懸賞金を公言したようだが、日本政府と警察がもっと毅然とした早い対応をとるべきではなかったか。もし、この蛮行がアーリントン墓地で起きたならば、アメリカは絶対に犯人を許さないだろう。
この他にも、中国公船が尖閣諸島周辺の我が国の領海に日常的に侵入していることはご承知の通りだが、海上保安庁は警告しか行わず、中国側が出ていってくれるのを待っているだけだ。こんな状態で我が国の領土領海を守ることができるのか。 上川外相は、6年前、ご自身が法務大臣の時に麻原彰晃を含むオウム死刑囚13人の死刑を執行した。当時、極めて胆力のある女性だと私は敬服したことを覚えているが、是非、その胆力を中国外交でも見せてもらいたい。