NO.211 報道自由度ランキング

 5月3日、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」から世界各国の報道自由度ランキング(2024)が発表され、対象の180カ国・地域のうち、日本は昨年から順位を二つ下げて70位となった。これは、先進7カ国(G7)で最下位とのことだ。

 しかし、私はこの順位に違和感しかない。安倍政権時代のモリカケ事件というでっち上げ報道を始め、日本ほど政権を好き勝手に批判できて言論の自由が保障された国はないと思う。ただし、今回の順位の理由として指摘されているように、閉鎖的で既得権益化した「記者クラブ制度」というものは即刻廃止すべきだ。

 また、過去の日本の順位を見ると、実は民主党政権時代に世界11位まで上がっている。だが、報道の自由度が本当に高かったのかと言えば、むしろ真逆なのだ。その証拠に、当時、「報道ステーション」のMCをしていた古舘アナは次のように発言している。

「民主党政権時代、大臣クラスから直に番組に電話がかかってきて、あのキャスター黙らせろ、とか、すぐ謝罪しないと困るとか言ってくる感じがあった」

 日本の報道の自由度が低いとマスコミ自身が批判するよりも、むしろ、報道する側にこそ改善すべき点、報道機関の責任というものが必要なのではないか。

 さて、世界ランキングで同様に私が違和感を覚えるのはジェンダーギャップ指数というものだ。昨年、日本は146カ国中125位で過去最低の順位だった。韓国(105位)や中国(107位)よりも低い数字であり、日本の男女格差が世界的に酷いと批判する材料にされたが、それは余りにも欧米の価値観に偏っていないか。

 ジェンダーギャップ指数上位のスウェーデンの強姦発生率は日本の60倍以上であり、中国ではウイグル人女性が強制労働や強制堕胎をされているではないか。

 昨年の世界幸福度ランキングで日本は47位。自国民約1000人の生活評価で決まるこの順位こそ爆上がりする国になって欲しい。