青葉区随想 1062015/08/07
No.106 拉致問題と安保法制
先月22日、「『特別調査委員会』1年 全拉致被害者を取り戻す緊急国民集会」に参加してきた。櫻井よしこ女史が司会を務めたこの集会は、北朝鮮が一年経っても拉致被害者の再調査報告書を出してこないこと、そして日本政府の対応の甘さに抗議する意味で開かれたものである。拉致被害者5名が帰国してから既に13年が経過するが、それ以降、一切の進展が見られず、一方で被害者のご家族はだんだんと高齢化している。限られた時間の中で、何としても、まだ北朝鮮にいる数百名の拉致被害者を一括帰国させなければならない。
今回の集会では、被害者のご家族から様々な意見が出ていたが、現在、国会で審議されている安全保障関連法案に関してもいくつかあった。
「今回の法案の質疑において、拉致問題が言及されないのはおかしい」
「この安保法制が40年前にあれば、拉致被害者は出なかったのではないか」
確かに意図的に避けているのか、国会には拉致問題と関連付けて質問する議員はいないように思える。それは、拉致問題を取り上げると、戦後70年、現行憲法のおかげで平和だったという前提が崩れるからかもしれない。北朝鮮による日本人拉致というのは明らかに日本という国家に対する主権侵害であり侵略行為である。アメリカならば軍隊を派遣し、戦争に発展してもおかしくないケースだが、日本は平和憲法のせいで自らの手で自国民を救出することができないのだ。
国会の前では、共産党系組織に扇動されていると思われる若者達が「アベは辞めろ、戦争するな!」と太鼓を鳴らしながら叫んでいる。そして、左翼マスコミも彼らが国を変える原動力だと絶賛している。しかし、日本の国旗など一枚も掲げない彼らの活動は反政府デモであり、自分の足元の平和しか考えていないようにも思える。
誰も戦争など望んでいない。しかし近隣には独善的野心を持った国家が複数ある。「憲法守って国滅ぶ」では、次の世代に申し開きができないではないか。