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青葉区随想 1202016/10/14
NO.120 死刑制度を考える

 戦後最多の19人が死亡した障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件を受け、神奈川県は共生社会実現に向けた理念や方針を盛り込んだ「憲章」を制定する。この事件の持つ特異性、社会への影響力を鑑み、当事者となる神奈川県が大きなメッセージを全国に発信することは非常に意味のあることだと私も思う。
 さて、この事件の犯人は通常なら間違いなく死刑になるはずであろうが、去る7日、日弁連は、福井市で開いた大会で「2020年までに死刑制度の廃止を目指し、代わりに終身刑などの導入を検討する」という宣言を採択した。この採択にあたっては、犯罪被害者を支援する弁護士等から反対意見が相次ぎ、大会が一時紛糾したそうだが、結局、賛成多数で採択されたということだ。
 その理由として、冤罪によって死刑が執行されると取り返しがつかないこと、世界では死刑を廃止する国が増えていることが挙げられているが、この重要な方針を出席者の多数決だけで決めることに内部からも疑義が上がっているようだ。実際、日本国内では死刑を容認する世論が何と8割を超えているのだ。私自身も、冤罪とこの問題は切り離して考えるべきであり、また、遺族が家族を殺された苦しみに整理をつけるための刑罰として死刑制度は必要であると思う。
 実は、この日弁連の大会ではもう一つ問題とされたものがある。シンポジウムにおいて、作家の瀬戸内寂聴氏から死刑廃止賛成派に向けてビデオメッセージが寄せられたのだが、その中で彼女は「殺したがるバカどもと戦ってください」と述べた。当然、これには犯罪被害者の会等から反発があったわけだが、何故、僧正である寂聴氏は殺された側の被害者や家族に思いが至らないのだろうか。悪人正機説でも唱えるつもりなのか。
 かつて、日弁連の会長は、「拉致問題は存在せず、国交交渉を有利に進めたい日本側の詭弁である」と言い放った。法律や生身の人間が決して真理を超えることはできない、私はそう思う。

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