青葉区随想 1382018/04/13
NO.138 介護人材の確保について
先月14日、私は神奈川県議会の予算委員会で質問に立った。
神奈川県の平成30年度当初予算案は一般会計が1兆8千億円余りであり、特別会計と企業会計を合わせると4兆円近い規模になる。しかし、一般会計の内、何と8割余りが人件費等の義務的経費だというのが神奈川県の実情であり、政策的経費を如何に効率良く振り分けるかが予算の重要なポイントとなる。
今回、私は「介護人材の確保」に焦点を当てて質問を行った。この関連分野で約4億2千万円の予算が計上されているが、ご承知の通り、現在も介護現場では深刻な人手不足問題がある。その上、団塊の世代が75歳を迎える2025年には神奈川県で約2万5千人の介護人材が不足すると予想されているのだ。
そのため、6年前から県では介護の魅力をアピールする事業として「かながわ感動介護大賞」を実施してきている。しかし、これについては、介護現場に20年近く関わってきた者として、私はそれほど意義があるとは思えないという意見を県に述べてきた。何故なら、介護の現場では、例えば「看取り」のように感動する場面、感謝される場面というのは日常的にあるからだ。
そして、私はただ県を批判するだけでなく、離職率が低い施設を表彰し、情報を共有すべきではないかという提案を行ってきた。それが功を奏したか判らないが、一昨年から「かながわベスト介護セレクト20」という制度が始まった。これは、介護サービスの質の向上や人材育成、処遇改善に顕著な成果を上げた事業所を表彰し、奨励金百万円を交付するという全国的に他に類を見ない制度である。この制度については、現在、セレクト20に選ばれるための勉強会が開催されるなど波及効果も既に出ている。是非、職員の定着率アップに向けて全国のお手本になってもらいたいと思う。
さて、翻って、国会の予算委員会では、相変わらず、どうでもいい森友問題ばかり。もっと、この国の未来を真剣に考えるべきではないか。