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旗幟鮮明 782015/12/03
No.78 TV番組の偽善

 先月13日、129人が犠牲になったパリ同時多発テロの後、フランスやロシア等の有志連合が過激派組織イスラム国(IS)に対する掃討作戦を激化させた。ある意味、当然の成り行きであると思うが、国内で視聴率の高いサンデーモーニング(TBS)や報道ステーション(TV朝日)を見ながらその報道内容に違和感を覚えたのは私だけではないはずだ。
 番組内では、ISとの対話を進めるべきだとか、有志連合の誤爆もテロと同じだとの主張が述べられていた。確かに誤爆は非難されてしかるべきだと思うが、それとテロとは全く別物ではないか。まして、テロリストとは交渉しないというのが国際社会の共通認識である中、異教徒を敵とし奴隷制まで復活させた残忍な狂信組織と対話など可能であるはずがない。今年一月、ジャーナリストの後藤さんらが容赦なく殺害されたことをもう忘れたのか。マスコミは、空想や綺麗事ではなく現実に即した報道をすべきである。
 結局のところ、ISの前では憲法9条など無意味であろう。しかし、古来より「和」と「結い」の精神を紡いできた日本には、世界中にはびこる復讐の連鎖を断ち切る潜在力があると私は信じている。

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