旗幟鮮明 1372021/01/07
NO.137 感染者と陽性者は違う
昨年の漢字は「密」、流行語大賞では「3密」が年間大賞となり、「鬼滅の刃」「愛の不時着」等がトップ10に入った。正に、新型コロナの恐怖が日本社会を覆い、「密」になることを戒められた一年だったと思う。そして、現在、「密」になるどころか、GoToトラベルは全国的に一時停止となり、飲食店等の営業時短要請も各地で実施され、外出自粛が求められている。
日本で初めての新型コロナ罹患者が神奈川県で確認されて一年が経過しようとしているが、これまでの国内陽性者は20万人を超え、死者数も3,000人を超えた。ここで、私は敢えて「感染者」ではなく「陽性者」と記述しているが、それはPCR検査の陽性者が必ずしも感染者ではないからである。しかも、他国と比べて日本はCt値(陽性と判断する基準値)が高く、例えば台湾では陰性だが、日本では陽性になるというケースが出てくるのだ。
先月、陽性者急増による医療崩壊を危惧する医師会やマスコミの世論誘導に屈した形で、菅総理はGoToトラベルを停止させるに至った。両者に明確な因果関係は無いと私は未だに思うが、停止決定後、今度は宿泊業者等の危機を報道して政府を批判し始めるマスコミには呆れるばかりだ。
医師会側は言及しないが、新型コロナをSARSと同じ指定感染症2類相当からインフルエンザ並の5類へ変更することを望む現場の医師は多いはずだ。新型コロナに対するゼロリスクを追求するのではなく、重症者や他の病気の患者さんの救命へ医療資源をシフトしていくべきだと私は思う。