青葉区随想 1372018/03/09
NO.137 ウィグル人からの訴え
現在、私は日本ウイグル地方議員連盟の会長をしている。それ故、去る2月11日に「ウイグルの母」と呼ばれる民族指導者ラビア・カーディル女史と都内で面談した。
ウイグルとは、この場合、中国共産党に侵略され設置された新疆ウイグル自治区を指すが、近年、政府による漢族の大量入植や悪質な民族浄化(絶滅)政策により、チベットや南モンゴルと同様に深刻な人権侵害が起きている地域だ。また、特筆すべきは、中国における石油・天然ガスの3割以上が埋蔵する地域であること、そして1964年(東京オリンピック開催中)に初めて地上核実験が行われ、それ以降1996年まで46回も核実験が実施された地域であることだ。その結果、100万人以上の死傷者、被爆者が出たと言われる。
しかし、中国は核実験の詳細は公表せず、さらに昭和50年代に核実験場近郊のシルクロードをNHKが観光地として宣伝したため、女優の夏目雅子さんを始め多くの日本人が被爆したとも言われている。
さて、今回、ラビア女史が私に訴えたかったことは以下の通りである。
「習近平政権下において、各地に巨大な強制収容所がいくつも造られた。十人に一人とも言われるウイグル人がそこへ送り込まれて脅迫・拷問・殺害が行われ、未だに多くのウイグル人が行方不明である。この実態を日本人に知ってもらい国際社会に訴えて欲しい。」
私は、これまでも県議会において、南京大虐殺や従軍慰安婦などの嘘を学校で教えるくらいなら、ウイグルやチベットにおける現在進行形の人権問題を生徒に教えるべきだと訴えてきた。それこそが道義国家日本のあるべき姿ではないか、と。私はこれからもウイグルの現状をあらゆる場面で伝えていくつもりだ。
以前、私は、あるウイグル人から「あなたは国を失った民族の気持ちがわかりますか?」と聞かれたことがある。日本で漸く憲法改正が議論され始めているが、憲法9条が日本の平和を守ってきたと信じる人達は果たして何と答えるのだろうか。